襖のもつ優れた機能

襖は、単にドアや間仕切りだけが役目ではありません。昔ながらの和襖には、空気をきれいにする特性(天然の空気清浄機)があります。※内部構造が段ボールや発泡素材の量産襖には、このような特性はありません

和襖はその製造工程で、周囲だけに糊を塗り、ウケ紙と呼ばれる下地の紙を貼り釘で留めます。この時、中央部は浮いた状態(浮かし貼り)になり、」その上に襖紙を貼るので内部に空気層ができるので呼吸する構造となるのです。また、保温性、調湿性(湿気を吸ったり、吐き出したりする機能)といった特性を合わせ持つ事になります。梅雨時など、襖のたるみをご覧になった事はありませんか?それは、湿気を吸収しているからで、お部屋が乾燥すると元に戻っていますね。

和襖は、紙と木で出来ている(襖絵が描かれているものもありますね)とてもデリケートなものです。そのため、水気は厳禁です。合成樹脂製の襖紙なら水拭き出来ますが、基本的には濡れた布でこすると襖紙を傷め寿命を縮めてしまいます。襖が水気を含むと、せっかくの調湿機能が失われ、場合によってはカビが発生する原因にもなります。それでは、

襖の掃除やお手入れはどうすればいい?

引き手周辺の手垢汚れは、消しゴムを使います。使用する消しゴムは白くてやわらかいものです。頑固な汚れも砂消しゴムをやさしく当てると取れますが、ゴシゴシすると襖紙が破れますので注意してください。 それでもきれいに落ちない場合や、ふすま紙の汚れが広い範囲に及んでいたり、経年劣化による黄ばみなどの場合は襖紙の交換となります。 襖の桟のお手入れは、輪ゴムを使います。輪ゴムを桟の上に置き、襖を何度か往復させますい。輪ゴムが桟や襖のホコリや汚れ を巻き取り、簡単にキレイになります。襖のすべりが悪くなってきたと感じたら、桟に蝋燭を塗ってみましょう。このときは、必ず白(無色)の蝋燭を使ってください。蝋燭をクレヨンで色 を塗る要領で、桟にこすりつけてます。驚くほど滑りが良くなり、また襖や桟の保護にもなります。


サイズによる襖の呼び名


五八(ごはち)  高さが185cmまで 幅93cmまで
丈長(たけなが) 高さが185cm以上 幅93cmまで
幅広(はばびろ) 高さが185cmまで 幅93cm以上

襖の幅による呼び名

襖は、その用途によっても呼ばれ方が違います


2枚立(にまいだち)

柱と柱の間が2枚の襖が並ぶ幅のもの ※「引き違い」とも呼ぶ

1間の幅に入るものを間中(まなか)と言う

4枚立(よまいだち)

柱と柱の間に4枚の襖が並ぶ幅のもの

内々寸法 9尺を「九四(きゅうし)」または「9尺4枚立」

内々寸法 2間半を「2間半4枚立」または「二 間半(にけんはん)」
内々寸法 3間を「3間4枚立」または「三間(さんげん)」

用途別の呼び名


間仕切り(中仕切り) 部屋と部屋とを仕切るために使われる普通の襖
襖の両側が部屋に面するので両面に上貼り。※「両面」「両面貼り」とも言う
片面張り 押し入れなど、片側だけが部屋に面している場所に使われる襖
天袋・地袋 床の間の脇床に取り付けられる小襖
上段を天袋、下段を地袋と言う